アンバサダー
目指すは日本の美容ナースの質向上
名前: 村上千寿瑠(ムラカミチズル)
SNS: @ns__muu
所属: フリーランス
「新人のうちから美容ナースの英才教育」をモットーに、プロの美容ナースを育てる講師としてナース・カウンセラーを対象に座学研修、現場での技術指導やクリニックの開業支援などを行っております。
- 1 今までのご経歴を教えてください。
- 2 美容看護師になろうと思ったきっかけを教えてください。
- 3 美容看護師に転職すると決めた際、周りの反応はどのようなものでしたでしょうか?
- 4 初めて美容クリニックに転職した際、転職活動で苦労したエピソードはありますか?
- 5 病棟と美容クリニックの「求められるスキル」「給与、休日、残業」「休日の過ごし方」などに違いはありますか?
- 6 美容看護師になる前となってからで美容看護師に対する印象の違いはありますか?
- 7 美容医療業界未経験者が美容クリニックで働く際、大手と個人クリニックで合う人と合わない人の特徴はありますか?
- 8 40代、50代以上になっても美容看護師として働くにはどのような経験やスキルが必要だと思いますか?
- 9 美容看護師の魅力ややりがいに感じることを教えてください。
- 10 今後の目標があれば教えて下さい。
- 11 美容看護師を目指している看護師さんたちにメッセージをお願いします。
今までのご経歴を教えてください。
病棟勤務を経験したのちに美容看護師を志しました。美容医療の業界に転職してからは品川美容外科品川本院で働き、外科や皮膚科など多岐にわたる症例に携わる貴重な経験を積みました。その後、BIANCAにてナースの指導や教育システムの構築、さらには役職としての様々な業務を経験するなかで、「美容ナースの教育や学びの場をもっと広げたい」という強い思いから、最終的にはBIANCAを退職し、現在はフリーランスとして教育分野へのさらなる貢献を目指しながら活動しています。
美容看護師になろうと思ったきっかけを教えてください。
病棟で働いていた時、退職する先輩が美容クリニックに転職すると聞き、そこで初めて美容ナースという職業があることを知りました。以前から周りとは違うことに挑戦したいという気持ちが強かった私は、「なんか面白そう!」という好奇心から、その魅力的な世界に飛び込むことを決めました。
美容看護師に転職すると決めた際、周りの反応はどのようなものでしたでしょうか?
当時、美容ナースという職業は今ほど認知されておらず、人気も高くありませんでした。そのため、私が美容分野に進むと決めた時、周囲からは「本当に大丈夫?」という心配の声が多く聞かれました。多くの人が「美容ナースになると看護師としての資格やスキルが活かせない、スキルが低下する」というような軽い偏見があったように思います。私自身も、そういった不安が心のどこかにあったのも事実です。
初めて美容クリニックに転職した際、転職活動で苦労したエピソードはありますか?
臨床から美容分野への転職を考える際、ほとんどの方が「自分なんかが本当に美容分野でやっていけるのだろうか」という不安を感じるのではないかと思います。私もその一人で、規模が大きな大手クリニックは敷居が高く感じ、少人数でこじんまりした個人クリニックの方が合っていると思い、はじめは個人クリニックの面接ばかりを選んでいました。
しかし、今なら当然分かることですが、個人クリニックの方が少数精鋭な分、求められる人材レベルが高くなります。当時の私はそれを知らずに面接に臨んでいたため、結果としてはことごとく落ちてしまいました。
病棟と美容クリニックの「求められるスキル」「給与、休日、残業」「休日の過ごし方」などに違いはありますか?
美容分野で働く上で、最大の違いは「接遇」の重要性です。病棟勤務では患者様とラポールを築くためにあえて友達口調のようにフランクな言葉を日常的に使っていました。美容クリニックでは、言葉遣いから所作、表情管理まで全てに気を配る必要があり、初めは戸惑いの連続でした。
しかし、美容クリニックへの転職は働き方や福利厚生の面で大きなメリットがあります。年間休日が多く、病棟勤務と比べて賞与は少ないものの月給が良く、残業があってもしっかり残業代が支払われる。また、なんといっても夜勤がないため体力的なしんどさからの解放感を強く感じていました。
美容看護師になる前となってからで美容看護師に対する印象の違いはありますか?
美容ナースに対する印象は大きく変わりました。以前は美容ナースをエステティシャンと同じように捉えていましたが、実際に仕事を深掘って学ぶと、外科や皮膚科での看護知識が非常に重要であることを改めて実感しました。美容ナースになると看護技術が劣化すると考える人もいますが、実際にはバイタルサインの測定、手術時の尿道カテーテル挿入、採血や点滴、患者対応前の情報収集やアセスメントなど、看護師としての技術が求められる場面は多いです。看護師としてのスキルが劣化するかどうかは、これらの状況に気付き、対応できるかどうかによって決まると思います。
美容医療業界未経験者が美容クリニックで働く際、大手と個人クリニックで合う人と合わない人の特徴はありますか?
簡単に言うと、大手クリニックでは症例数が多く様々な手術や皮膚科の経験ができるため、多くのことを広く学ぶことができます。一方、個人クリニックはそのクリニック独自の特色が強く出るため、提供するメニューや院長の専門性によって経験できる内容が限定されがちです。
しかし、限られた分野を深く、繰り返し経験することで、その領域において高い専門性を身につけることが可能です。まず美容業界全般について学びたいなら大手が、最初から特定の分野を深く追求したいなら個人クリニックが適していると言えます。
40代、50代以上になっても美容看護師として働くにはどのような経験やスキルが必要だと思いますか?
何をするにも、その道を極めることが大切です。美容ナースとして、自分自身が美肌を保つことも重要ですが、後輩に尊敬されるような確固たる強みを持つことがより重要だと思います。それは皮膚科でも外科でも、あなたが選んだどんな分野でも良いのです。自分だけの「これだけは誰にも負けない」という強みを持ち、それを実績で示すことが大切です。
口先だけで大げさに言う人でも、実際に技術を見せる場面で後ろ向きになる人は少なくありません。本当に自信があれば、人前で技術を見せることにためらいはないはずです。日ごろから丁寧に技術を磨いていれば、人前でも変わらずにその技術を発揮できると思います。
また、「この人についていきたい」と思わせるような人間性も、美容ナースとしては重要です。長く働いていくには尊敬される技術と人間性を持つことが、真のプロフェッショナルへの道です。
美容看護師の魅力ややりがいに感じることを教えてください。
美容医療業界はまだ成長途中です。医療の分野だからこそ、これからも新しい知識や技術、機器が次々と登場するでしょう。美容ナースとしては、これらの最新情報を常に学び、どれが良くてどれが劣っているかを見極め、適切なものを選び取ることが求められます。そして、こだわり抜いた最良の施術を患者様に提供し、患者様と喜びを共有することこそが、美容ナースの大きなやりがいだと思います。
今後の目標があれば教えて下さい。
自分自身も美容ナースとしてさらにスキルを高めたいと思っていますが、それ以上に、同じレベルのスキルを持つ仲間が増えることで、患者様への施術の質がさらに向上すると考えています。だからこそ、高いレベルの美容ナースをたくさん育てたいという強い願いがあります。美容ナースになることは比較的容易かもしれませんが、その道を極めることは簡単ではありません。それには大きな決意と努力が必要です。
もし意欲とモチベーションが高く、素直であり、美容ナースとして求められる素質がある方であれば経験問わず、私は喜んで自分が学んできたことを全て伝え、共にさらなる高みを目指していきたいと思っています。
美容看護師を目指している看護師さんたちにメッセージをお願いします。
美容分野が未経験だからといって転職してからのことを心配する必要はありません。経験者と比べてスタートラインが少し違うだけで、その差を埋めることは自分の努力によって十分に可能です。やりたい事、目標があるならぜひ諦めずにチャレンジしてみてください。意欲を持ち続けている限り、いつか絶対にゴールに辿り着けると思います。頑張ってください!